初めて買ったノート型PCが、あの銘機、初代VAIO NOTE 505(1997年)だった。
当時のノートPCというと、今で言うデスクノートのような、2kg、3kgというのが当たり前で、バッテリーも全然もたない。そんなものを当時のビジネスマンは結構普通に持ち歩いていた。
と言ってもその頃に薄型軽量なノートPCが全く存在しなかったというわけではない。唯一、Digital HiNote Ultraという機種があった。しかし50万円以上する超高級機であり、とても手がでない憧れのスタイリッシュPCだった。
そんな中、PCメーカーとしては新参のSONYから登場したVAIO 505は本当にセンセーショナルだった。黒プラスチックの筐体が当たり前の時代に、メタリックで高級感のあるマグネシウムボディ。小型で超軽量。実用的なレベルのバッテリー。リーズナブルな価格。プライベートでノートPCを所有する時代を切り開いた銘機だった。
VAIO 505以降、いわゆる「銀パソ」ブームが到来し、ノートPC=黒一色な時代が終わった。
…それから約10年後にAppleからMacBook Airが発表されるわけだが、SONY VAIO 505のインパクトは、それよりずっとすごかったように思う。
当時社会人になったばかりの頃の会社のデスクの写真を見つけた。
個人で買ったPCだけど、当時は私物のPCを会社のネットワークに勝手に繋いでも何も言われないような時代だった。なので仕事でもバリバリ活用していた。
その後、ノートPCを何台も買ってきたけど、VAIO率が最も高く、計4台かな。特にVAIOにこだわっていたというわけではないので、何か惹かれるものがあったんだと思う。
VAIOは独創的なデザインだとか超小型モデルなど、いつも他とは少し違った方向にチャレンジングだった。価格競争の泥沼に陥っていたPC市場の中で、しっかりオリジナリティを打ち出し、すごくソニーらしいブランドだったと思う。
いよいよ、ホームユースでPCを使う時代は終わっていくのですかね。これまでPCが普及してきた中で、「パソコンって、個人用途に最適なコンピューティングの形とは言えないよね」とずっと感じていたので、タブレット、スマホに流れていくのはとても自然な流れだと思う。しかしながら、長くこの世界を見てきたので、とても寂しい感情がある。
プログラミングやデザインなどクリエイティブな仕事では引き続きPCなんだろうけど、PCの進化が停滞してしまうのではないか。とか、選択肢が減ってしまうのではないかという不安もある。
どうなっていくのでしょうか。